アメリカ人の“ディープ”な声

アメリカ映画の主人公の声が、日本人にはない“深い声”だと思ったことはありませんか。
Star Wars の第一作目の最初のシーンで、男性のナレーターの声が聞こえてきました。
「遠い昔、遥か彼方の銀河系…( A long time ago in a galaxy far, far away)」という意味の英語のナレーションだったと思うのです。
その声が今でも耳に残っています(たぶんStar Warsだったと思うのですが…)。
引き込まれてしまい、ずっと聴いていたい…とさえ思いました。

最近はインターネットで、アメリカのニュースサイトを頻繁に見ることができます。
キャスターを始め、いろいろな人の声が生で聴けます。バリエーションはありますが、声が印象的な人が少なくないです。
数年前のことですが、そんなニュースサイトでハワイの日系二世らしき若者がとても “ディープ”な英語を話していたのを、今でも覚えています。
ああ、喉や骨格の違いじゃないのだなと思ったものです。
華奢な日本人の骨格だから、ディープな声が出ないと思うのは間違いのようです。

日本人でも低音で、よく響く声の人もいますが、とても少ないように思います。
そして、その“深さ”がアメリカ人ほどではないと感じます。
フランク永井(昭和の流行歌の歌手、「有楽町で逢いましょう」など)のような人は例外的な人ですね。
JALの「ジェットストリーム」という機内クラシック音楽のナレーションをしていた城卓也もよく響く声をしていました。音楽ではなく、声を聴いていたい、とさえ思わせましたね。

日本人のごく一部の人がアメリカ人の低音の声の域にダブっている…と言えるのかもしれません。しかし、一般的に言えば、日本人とアメリカ人の声は、その“深さ”がはっきり違うと思うのです。
昔、中津遼子さん(「英語なんでやるの?」という本を書き、ベストセラーになった)が、日本人の声は遠くまで聞こえない、もっと大きな声で英語を話しなさい、みたいなことを本で主張されていたように思います。
最近は、上川一秋さんという方が、「英語喉」と言う表現を使って、アメリカ人の英語の特徴を説明しています。
ごく最近では、三木雄信さんという方が、「発音じゃなく、発声+リズムが大切」と言い、低い声で、喉の奥を震わせて話すようにと主張されています。
でも、これらの人は本当に少数派です(まったく無視されている、と言ってもいいくらい少数派です)。

日本人が、“ディープ”な声で英語が話せるなら、アメリカ人とのコミュニケーションがより濃密になるかもしれません。肝胆相照らす、みたいな。
英語で外国人と会話する時は、意識して少しでも“ディープ”な声になるよう努めてみてはどうでしょうか?
「緊張して英語をしゃべっているのだから、上ずった声になるのは仕方がない」とは思ってほしくないのです。(上ずった声で英語をしゃべる人は多いですけど。)
でも残念ながら、”ディープ“な声って、意識すればすぐ出せるものではありません。
私自身も何年も意識してきましたが、少しだけ出る程度で自分の夢見る“ディープ”な声にはなっていません。
もっと若い頃にそれを知っていれば…なんて。歳のせいにするな、か。

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