英会話ができるようになりたいなら、2年は頑張ろう

以前どこかで読んだのだが、アメリカの外交官で日本へ派遣されると決まって日本語の研修を本格的に受ける場合、その研修時間は約2000時間になるという。
その研修はクラスで1日5時間、週5日として、25時間、年に52週として、年間1300時間、1年半で、1950時間。
それに自習時間が上乗せされて、2500時間くらいになるか。
日本語ばっかり勉強してもこれだけ時間がかかる。

日本人は大学を卒業するまでに、英語学習に約740時間かけるという。
自宅で予習・復習もしたとして、その時間を含めて1500時間程度英語を勉強したことになるかもしれない(仮の推測)。
さあ、あと1000時間。
一日2時間、週5日間勉強するとする。週に10時間勉強することになる。
1年は52週なので、1年で520時間。2年で1040時間。
社会人になって、2年かけて1000時間以上追加で勉強すれば、ざっと合計で2500時間になる。

サラリーマンになって、毎日働いているのに一日2時間、しかも2年間続けるって、並大抵のことではない。
そう。並大抵の覚悟じゃできない。
禅僧の座禅の修行にも似ているかもしれない…。

では具体的なプログラムはどうすればいいのか。
 何か教材一式を買う?
 英会話学校に通う? 
 電車の中ではCDを聞きっぱなしにする?

目指すレベルはどこなのか。
 会社の仕事に使いたいのか?
 観光で通じればいいのか?
  映画を字幕なしで楽しみたい? 
エトセトラ、エトセトラ…

私が言えるのは、まずはとことん自分で考えて探してほしい、ということ。
色々な人が推薦する“ベストだという方法”は、あなたにとってベストではない場合も多い。
やり方がわからなくても、自分自身が納得できる方法、違和感を抱かない方法を見つけて継続していくべきです。

そのくらいの気持ちがないと、とても2年も勉強は続けられない。

読んで記憶したことで英語は話せるようになる?

先日、アジアの地政学をテーマにした歴史の本を読んでいた時、ふっと思ったのですが、歴史的な経緯と時代の背景を読んで、ある程度内容を記憶すると、本を読んだ目的は達成されたと感じるものです。
高校の世界史も日本史も、読んで記憶して終わり。それで試験問題には回答できる。言い換えれば、「読んで、記憶する」がその科目の勉強の目的、と学校時代に身に着けて私たちは育つように思います。

英語の勉強はどうなのか?
英文を読んで訳ができ、使われている単語の意味を記憶する。
昔も今もたいていはそんな風に勉強するのではないでしょうか。
中学、高校の授業の習慣から、「読んで、記憶すれば」その勉強は終わり。
英語も同じだと私たちは思っていないでしょうか。

大学受験では何故か英語は重要科目として扱われています。だから、よく勉強したという卒業生は多いと思います。
英文を読んで文章の意味を理解し、そして試験の質問に答える勉強。
その結果、卒業して社会人になった時、英語は喋れるようになっているでしょうか。
答えはおそらく、ほとんどが「話せない」ではないでしょうか…

黙読と音読は違う行為(作業)

「読んで、記憶した」と話すことは、全く違う行為ですね。
一方は、口を動かしていないですから。
日本語の教科書を音読する風景は小学校1、2年生くらいまででしょうか。
中学生になっても教科書を音読するって、なんかカッコ悪い、ちょっと気恥しいと感じませんか?
ましてや大人になって何かを音読するなんて、バカっぽいと自分で思うのではないでしょうか。
例えば、家族のいる居間で新聞を音読ってできる??

よく聞く例えとして、水泳の本を読んで泳ぎ方を記憶しても、泳げないのは当然だと言います。ジョギングの解説本を読んで走り方を記憶しても、実際に走ってみないと走れないですよね。
まさしくそうなんです。

中学の時から「読んで、記憶した」レベルでは、話すことはできません。
話すことができるためには、話すという行為を続けなければなりません。
話すという動作を体に覚えこませなければなりません。

Repeat after meって、よく英語の先生は言うでしょう。
1回はrepeatするでしょうけど、1回ではだめでしょう。
10回、20回、30回って、repeatしないと身に付かないのです。
「身に付く」とは、ほぼ無意識にできることを意味するのですから、何とも気の長い話です。
時間がかかります。 読んで覚える以外に、何倍もの時間を「話すこと」の練習にかけなければなりません。
学校時代にそんな時間、普通はないですよね。
でも、やっぱり音読(朗読)しなければ、口の筋肉が自由に動いてくれません。

本気で話したいなら、途方もない根気の勝負!なのです。

ネイティブの英語への憧れ

昔、記憶ははっきりしないけれど、映画を見ていて、英語の発音というか、俳優の発する声、に強く心惹かれる時がありました。
映画のセリフってすごく速いし、一つ一つの単語は聞き取れない。
でも声の流れで、見ているこちらの心が掴まれる。
大きな声やドスの効いた声、感情のこもった声といったものじゃなくて、静かに話しているのにこちらの心に深く響く、そんな声。

英会話の勉強を本格的に始めた大学生の頃、「英語がペラペラ話せるようになれば、自分もあんなふうな話し方ができるかもしれない…」と漠然と思っていました。
もちろん勉強を始めてしばらく経っても、ペラペラにはほど遠かったし、そんな実感もなかったのですが、ネイティブの話す英語への憧れは、そんなことが始まりだったように思います。

今も(80歳になる今)その願望の影は心の隅に消えないで残っています。

私の妻曰く、「あなたのご主人は本当に日本人ですか?」と何度か聞かれたことがあるみたいなので、少しは憧れに近づけたのかな…(半分リップサービス?)

しかし、自分で納得するようなネイティブ並みにはなれなかったと思う。
(でも結構幸せな人生ですよ、うん。)

どうやったら英語が話せるようになるの?

外資系の会社に勤めていた頃、アメリカの本社から外人(アメリカ人の事。私の年代には、懐かしい表現なので使わせてもらいます)が来ると、私が通訳をする担当でした。
その頃、他の社員から、「どうやったら英語が話せるようになるのか」という質問をよく受けて、「どうやったらって、うーん…人それぞれだしなあ…」と思いつつ、返答に困ったことを覚えています。

この年になって思い返しても、「どうやるのが英語を話せるようになるベストか」という質問にはいまだ自信をもって答えられません。

パソコンでニュースを見ていると、英語の勉強の仕方や、英会話をマスターする方法に関する宣伝を見る機会は少なくないです。新聞でも、そんな題名の本の広告を時々目にします。
中には『これをやればすごく簡単に英語が話せるようになる…』というような内容の宣伝もあって、「へー、そんなに簡単に英語が話せるのか。それにしてはこの私はどうだ。何十年も苦労して、まだ自分が納得するほどちゃんと話せていないのになあ…」と思ったりもします。

 「私には英語が話せるようになるベストな方法はわからない。自分には答えがない」
と言うと、「じゃあこのブログ、読む価値がない」と思う人もいるかも (笑)
でもちょっと待ってください。私にはアドバイスはあるんです。

 一人ひとり合っている方法は違うので、ひとまず今自分がやっていることを続けてみて下さい。もちろん今何も行動を起こしていないのであれば、とにかく行動を起こすことですね。
まずは何がベストかなんて考えないこと。
何より継続が大事。

はい。それが一つ目のアドバイスです!

はじめまして

私は1940年北海道の小さな町で生まれ、中学の時に初めて英語に“遭遇”。
以来、英語の魅力に惹きつけられ、英語を生活の一部として人生を送ってきました。

80年を振り返ってみると、至って普通の人生ではあったけれど、自分の中で一つ「大好きなもの」「得意なもの」を見つけられて、今まで幸せに生きてこられたとしみじみ思います。
そんな自分の人生や考えてきたことが、世の中の一人でも二人でも、誰かのこれからの人生に何か小さなヒントやきっかけを与えられたら幸せだなと思い、ブログを始めることにしました。

英語の勉強に関しては、英語は大好きだけれど、ネイティブ並みにはなれない悩みが、多くの発想の元になった、と自分では思っています。
試行錯誤でこれまで独自にやってきたことが、少しでも皆さんの参考になるといいなと思いつつ、これから色々書いていきたいと思います。

Hitoshi